施設ケアマネの仕事はきつい?現場のリアルと乗り越え方

施設ケアマネ
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こんにちは。

施設ケアマネや介護職の方への情報発信をしているカメフクです。

「施設ケアマネ」って知っていますか?

ケアマネジャー(介護支援専門員)と聞くと、多くの人は「居宅ケアマネ」を思い浮かべるかもしれません。利用者が自宅での生活を継続するため、居宅サービス計画を作成し、介護サービスなどを調整する仕事です。

しかし、ケアマネには介護施設の中で働く「施設ケアマネ」という役割もあります。施設ケアマネは、利用者の施設での生活を支援するため、施設サービス計画を作成し、多職種との連携や関係機関との調整を行います。

居宅ケアマネも施設ケアマネも、現場業務・書類作成・多職種調整・家族対応など、業務の幅は広く、仕事のきつさを感じている人は少なくありません。

特に施設ケアマネは、配置基準の影響もあり、居宅ケアマネに比べて従事者が少なく、事業所に1人だけという場合もあります。※参考『介護保険施設等に勤務する介護支援専門員の実態把握(アンケート)調査報告書』(2022年8月公表)

そのため、
「相談できる人がいない」
「ケアマネの役割について多職種に理解が得られにくい」
といった悩みを抱えるケースもあります。

この記事では、施設ケアマネとして働いているカメフクのリアルな現場感を整理しつつ、乗り越えるための工夫や考え方について解説します。

これから施設ケアマネを目指す人、
すでに施設ケアマネとして働いていて悩んでいる人の参考になれば幸いです。

施設ケアマネと居宅ケアマネの違い

まず、施設ケアマネの特徴を理解するために、居宅ケアマネとの違いを整理します。

居宅ケアマネは、利用者の自宅での生活を支えるためのサービス調整を中心に動きます。利用者宅への訪問や、外部の事業者・医療機関との連絡調整が多く、移動を伴う業務が日常的です。

一方、施設ケアマネは施設内に常駐し、現場スタッフと連携しながら、利用者の施設での生活全体をマネジメントします。「生活に近い距離で関わるケアマネ」という点が大きな特徴です。

なお、ひとくちに「施設ケアマネ」といっても、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームなど、施設の種類によって日々の業務は異なります。

生活に近い距離で関わることができる一方で、介護職や相談員などの業務を兼務するケースも多く、業務の幅が広くなりやすい傾向があります。

利用者の実生活に近いことや、多職種と連携しやすい環境は、より良いケアの提供につながり、やりがいも大きいでしょう。しかしその反面、業務範囲の線引きが難しく、負担が増えやすい実情もあります。

施設ケアマネがきついと言われる理由

現場業務とケアマネ業務の両立

施設ケアマネは兼務をしているケースもあります。日勤帯は介護や入所相談の業務が中心になり、ケアプラン作成やモニタリングが「空いた時間に」となりがちです。

しかし現実には、コール対応・食事介助・急変・家族対応と、割り込み業務が次々と入ります。

制度上、施設ケアマネは、おおむね入所者100人あたり1人以上の配置と、専らその職務に従事する者であることが求められます。一方で、施設内の他業務との兼務は、ケアマネ業務に支障がない限り認められています。

目の前で「利用者が呼んでいる」「スタッフが人手不足で困っている」「施設ケアマネでないと分からない」といった場面があると、ケアマネ業務に集中できないこともあります。

多くの利用者を抱えながら兼務業務にも関わるという状況が、現場では珍しくないのが実態です。

「今日もケアマネ業務ができなかった」

そんな日が続くと、書類が溜まり、焦りが積み重なります。

時間の確保と、多職種との情報共有が最大の課題になりやすいのが、施設ケアマネの現実です。

多職種の調整役としての精神的負担

施設には多くの職種が関わります。
介護職・看護師・相談員・リハビリ職・管理栄養士・医師など、それぞれが利用者の状態を異なる視点で見ています。

たとえば、食事量が減った利用者に対して、次のような意見が出ることがあります。

介護職「好みの問題もあるのかな?」
看護師「体重は維持されているから問題ないのでは?」
管理栄養士「食事形態が食べにくいのかもしれません」
リハビリ職「腕の筋力が低下していますね」
家族「できるだけ食べて、元気でいてほしいです」

このように、それぞれの立場から異なる意見が出る場面は珍しくありません。

これらの意見を整理し、方向性をまとめる調整役を担うのが施設ケアマネです。板挟みになりやすい立場であることが、きつさの大きな一因です。

ただ、裏を返せば、施設ケアマネがいることで「チームの方向性がまとまる」という側面もあります。

家族対応の負担

施設ケアマネは、家族との窓口になることが多い職種です。

苦情対応・状況説明・看取りの相談・退所調整など、感情が絡む場面も少なくありません。

たとえば、家族からは次のような声が聞かれることがあります。

「施設にずっといるのはかわいそうだから、外出させたい」
「施設だから、何かあったら治療してくれるんでしょ?」

このように、家族の思いと施設での対応方針の間で調整が必要になる場面もあります。

特に長期入所施設では、「話を聞くこと」が業務の大部分を占めることもあります。利用者本人の思いに加え、家族の不安や葛藤を受け止める必要があるためです。

専門的な知識以上に、「受け止める力」が問われる場面です。

それでも施設ケアマネを続けられる理由

きつい面は確かにあります。
しかし、施設ケアマネには他の職種では得にくいやりがいがあります。

  • 利用者の日々の変化を間近で感じられること
  • 家族の声を直接聞くことができること
  • チームケアの実感があること
  • 生活から看取りまで一貫して関わることができること

こうした経験は、居宅ケアマネとはまた異なり、利用者と家族の人生の最終段階まで、生活全体を支えることにつながります。

一人の生活を長期的に支える経験は、専門職としての視野を大きく広げてくれるでしょう。これは、施設ケアマネならではのものです。

目の前の人の一日に直接関わり続ける仕事だからこそ、この仕事を続けられる人がいるのだと思います。

施設ケアマネのきつさを乗り越える4つの方法

① ケアマネ業務の時間を先に確保する

「空いた時間でやる」のではなく、先に時間を確保することが重要です。

たとえば、

「午前中はケアマネ業務の時間」

「13時〜14時はケアマネ業務の時間」

と決め、その時間帯は原則として他業務を入れないようにします。

  • 意識的に時間を確保する
  • 職場の協力を得る
  • ケアマネ業務は現場でせず、場所を変える

こうした工夫をするだけでも、仕事の積み残しは減りやすくなります。

短時間でも“ケアマネ業務に集中できる時間”を作ることが重要です。

② 完璧な調整を目指さない

すべての職種や家族の意見を、100%満足させることは現実的には困難です。

施設ケアマネを含むケアマネジャーの役割は、利用者の心身の状況に応じて、適切なサービスが受けられるよう連絡や調整を行うことにあります。

利用者の課題に応じて関係者を巻き込み、その時点で最も適した方法を選択できるよう調整することが大切です。

つまり、そのケースごとに、現在の環境の中でできる限りを尽くすという視点です。パーフェクトなケアプラン作成を目指す必要はありません。

完璧を求めすぎないことで、精神的な負担は軽くなります。

③ 書類・記録をパターン化する+ICTを活用する

アセスメントシートやモニタリング、ケアプラン、サービス担当者会議、各種会議録などは、文例のストックやテンプレート化を行うことで、書類作成にかかる時間を削減できます。

毎回一から作成するのではなく、基本となる型を用意しておくだけでも、業務の効率は大きく変わります。

また、タブレットの活用や音声入力の導入による記録や会議録の即時入力など、ICTの活用も有効です。事務負担の軽減につながり、ケアマネ業務の時間確保にも役立ちます。

書類業務を「工夫で減らす」という視点を持つことも、継続するための大切なポイントです。

④ 一人で抱え込まない

施設ケアマネは、施設内では孤立しやすい職種です。

施設内の上司や管理者、各職種の役職者、あるいは他施設のケアマネと意識的につながっておくことが、いざというときの相談につながり、精神的な安定にもつながります。

「相談する習慣をもつこと」「相談できる環境に身を置くこと」は、施設ケアマネとして続けていくうえでも、専門職として成長していくうえでも大切な姿勢です。

まとめ

施設ケアマネの仕事は、きつい面があります。
私自身、「きついな」と感じることも確かにあります。

しかし、それは現場に近い専門職だからこその大変さでもあります。

  • 兼務業務とケアマネ業務の両立
  • 多職種との連携
  • 家族対応

これらはどれも「人と向き合う仕事」であることの裏返しです。きつさの多くは、それだけ深く関わっているからこそ生まれるものかもしれません

こうした経験を重ねる中で、調整力や判断力は確実に磨かれていきます。

今きついと感じているなら、それは成長の証なのだと思います。無理をせず、少しずつ効率化の工夫や仕組みを作りながら、自分なりのスタイルを育てていきましょう。

施設ケアマネとしての経験は、きっとあなたの専門性の柱になるはずです。

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